グリップヒーターはバッテリーに負担? SRV250

灯火系を弄り尽くされたSRV250



この年末年始のお休み期間中に電気系統を弄られた愛機SRV250。
グリップヒーターも付けたことだし、バッテリーの電源収支が成り立つのか検証してみました。消費電流の変化を整理してみました。(電流値は概算です)

電源収支

部品変更で省エネ部品になったものと、純正時に設定なかった部品を追加したので使用電流が増えたものがありますので整理してみました。

変更前
の部品
標準
電流
[A]
変更後
の部品
電流
[A]
時期
ヘッドライトハロゲン
4
LED
1.2
'16/3
ETC--ETC待機時
0.3
'16/3
USB電源--MAX.時
2.0
'18/6
HLR
-
-
リレー1
0.1
'18/12
BLC
-
-
リレー3,回路
0.4
'18/12
グリップヒーター
-
-
ヒーター,リレー
1.2
'18/12
テールランプ
バルブ
1
LED
0.3
'19/1
ブレーキランプ
バルブ
1
LED
0.4
'19/1
合計

6
合計
5.9


ちなみに、今回の追加、変更と関係しない部品として、大きな電流が流れる物としてキャブヒーター(キャブレターを温めるヒーター)があります。

SRV250はツインキャブレターに2個のヒーターが付いてます。ざっくりと1個あたり7Ωとすると、キャブレター1個あたり、2Aが流れることになります。(14V÷7Ω)
2個あるので4Aもヒーターに流れることになりますね! (驚き)

極寒の環境でもエンジンが掛かればキャブレターも温まり、ヒーターはOFF(13±5℃)となります。

キャブレターが13±5℃より低いと4Aが常時流れますので、極寒時にIG-ONのまま、エンジンが掛かってないい状態で放置は弱ったバッテリーにとってはダメージ大です。

電源収支の概算

標準:6 [A] > 変更後:5.9 [A] 

電源収支は成立していますね! この検証結果からするとバッテリーが空っぽになることはなさそうです。
変更後の電流値は最大時(最悪時)の値で計算してます。よって、実際はもう少しマージンがあります。

古いバイクはヘッドライトがハロゲンランプだったり、テールやブレーキランプがバルブ(電球)だったりします。これらは発光とは別に発熱を伴うので消費する電気エネルギーが大きいです。

これらをLEDに交換することで随分と電源系のマージンが増えることが分かります。


交流電気発電するジェネレーターや交流電気を直流電気に変換するレギュレーターという部品も容量が大きいものが付いていますので改造はそれほど電源収支的にはリスクはありません。

まずは灯火系をLED化して消費電流を抑えた上で、ヒーター類を増設すればより安心ですね!

発電関係の知識

バイクのエンジン回転エネルギーを使ってACジェネレータで交流電気を発電します。
その後、交流(AC)を直流(DC)に変換するAC-DCレギュレーターで直流電気に変換し、バッテリーを充電しています。

最初に示した表で約6A さらにキャブヒーターで4A 併せて10Aも消費しているのでそれなりに発電能力が必要なはずです。さてどうでしょうか?

ACジェネレーター特性

型式:TLMZ61(DENSO)
仕様:14V25A at 5,000rpm
   (rpm = r/min:1分当たりの回転数)


アイドリング1200rpm(横軸)で10A(縦軸)の交流発電が見込めるので、DCレギュレーターでのロスが無ければ、常時10Aなら電源収支は安定していると読めばいいのですかね~

5,000回転以上でエンジンを回せば約26Aの発電量です。 SRV250に必要な電気エネルギーに対して十分です。

ちなみに3相タイプのACジェネレータ?でコイル抵抗は0.21~0.31Ω(@20℃)です。

このグラフを見る限りでは、250ccのバイクですが他のバイクの部品共用?の恩恵なのかずいぶん余裕があるACジェネレーターが採用されていることは判ります。

AC-DCレギュレーター

交流発電のACジェネレーターを直流に整流するのがDCレギュレーターです。SRV250には下記の部品が使われています。
  • 型式:SH650(新電元)
  • 仕様:14.2~15.2V,ショート回路タイプ
詳細はここを参照下さい。

そろそろ電気工作のお遊びは終了とさせて頂きます。

2021年3月7日追記
ルネッサに中華製のグリップヒーターを取り付けました。これが予想に反して高性能でデザイン的にもGood! 詳細はこちらをご覧ください。

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