アイシング症状の特効薬はキャブヒーター SRV250

極寒時にエンジン始動とアイドリングが不調


最近のニュースでは最低気温が-3℃とか氷点下より気温が低くなる話をよく聞きます。
11月や12月初旬は私を含め、巷のライダー達は神の恵み『暖冬』をツーリングで満喫していたのが嘘のように、一気にに冷え込んできました。

SRV250に乗っていると冬でも始動性が良好でアイドリングも短時間で安定します。よって、冬だからエンジン不調になるという感じはありません。

但し、世の中に残存するキャブレター式の気化器をもつバイクは、『冬はエンジンが不調だよ』と嘆く方もいるようです。

これってもしかするとアイジングという症状かもしれませんよ。

アイシングって何?

SRV250は空冷エンジンでキャブレター仕様です。一方、今時のバイクは水冷エンジンでインジェクション仕様です。

キャブレター仕様のエンジンは冬場に調子悪くなる傾向があります。特に氷点下に近い気温では注意が必要です。

アイシングとはエアクリーナーを経由してキャブレターを通過する際、吸入エアー内に含まれる水分がガソリン気化に対して悪さをする現象です。

具体的にはキャブレター内でガソリンが気化する時の気化熱によってキャブレター内部の熱が奪われるため吸気エアー内部の水分が凍結します。

その影響としてキャブレター内部のスロットル開閉機構に影響して、燃調バランスを悪化させることがあります。その結果アイドリングが安定しなかったり、最悪の場合はスロットル作動不良に至ります。

アイシングの発生条件

  • 湿度が高い
  • 外気温が低い
  • エンジン始動直後、エンジンやキャブレター周辺温度が低温のまま
アイシングで怖い現象としては、スロットルバルブ(シャフト)の凍結です。
極寒の最中でスロットルの開閉度を固定したままでキャブレター内部の熱が奪われ続けながら走行し続けたらどうなるでしょうか? 

スロットルバルブがアイシングに凍り付き動かなくなる。
(開閉調整できなくなる現象が起きます)

この状況は非常に危険です。ライダーがグリップ操作でスロットルを閉じたつもりでも、キャブレター内部ではスロットルバルブが開いたままでエンジン高回転になるという現象に直結します。

対策方法は?

キャブレターをヒーターで温めてあげるのが一番です。ライダーも寒いですが、ギャブレターさんも寒いのです。(使い捨てカイロをキャブレターに貼る人もいます。)
キャブレター本体にヒーターを取り付けて暖めればアイシング症状が低減されます。

愛機SRV250にはキャブヒーターが標準仕様で付いてます。但し、古い車体ですので経年劣化でヒーターそのものが劣化、故障して十分発熱しなくなる。あるいは発熱を制御する温度センサー(サーモースイッチ)が故障して動作しなくなる場合があります。

もし冬になるとエンジンの調子が悪いスロットルの開閉にエンジンが上手く反応しない状
況があれば、チェックしてみるのがいいのではないでしょうか?

キャブヒーターが標準搭載されてないバイクでも、キャブレターそのものにヒーターを付けるネジが切ってあるタイプなら、DIYでヒーターを付けることも可能です。

ヤマハ車であればYB125とかはキャブヒーターが取り付けれるようにネジが切ってあるそうです。他の車両でもミクニ製のキャブレターなら最初からネジ切りしてある可能性が高いので、一度キャブレターを覗いてみては如何でしょうか?

SRV250のキャブヒーター

V型2気筒エンジンに対してツインキャブとなっています。フロント側とリア側で若干発熱量を変えています。キャブレターへの取付位置(フロント側は斜めから、リア側は横から)が若干異なるので、熱の伝わり方を踏まえて発熱量を調整したのか? 理由は良く判りません。

フロント用
型式:3DM-83790-00
仕様:20W
抵抗:7.3~8.9Ω(単体)
    5~6Ω(キャブ組付状態)

リア用
型式:3BT-83790-00
仕様:30W
抵抗:6.0~10.0Ω(単体)
    7~9Ω(キャブ組付状態)

実機確認

赤丸がキャブヒーターです。(向かって右側がフロント側です)



ヤマハ品番のキャブヒーターが廃盤になっていても方法はあります!
スズキの補給品パーツが使えるかもよ。
→代用品に関する情報はこちら

サーモスタットの仕組み(原理)

古いバイクでは感熱体としてバイメタルを使います。バイメタルとは温度変化によって形状が変わる性質をもった金属(板)です。バイメタル式サーモスタットが正式名称です。

電熱体の近くにサーモスタットを設置して熱によってバイメタルが変化(変位)することを利用し、設定温度に達すると接点が自動的に開閉します。


サーモスイッチの仕様

型式:MM2-278(MATSUSHITA)
仕様:温度上昇時 13±5℃でOFF
    温度下降時  8±5℃でON


サーモスイッチはSRV250のどの辺りに取付されているのでしょうか? 以前、タンクを外した時にキャブレターの近くにあったようなおぼろげな記憶がありますが、ハッキリと覚えていません。


寒い環境のエンジン始動や走行時のボコツキが発生した際にアイシングが起きたのか? それともキャブレターの燃調調整が悪いのかを見極める方法はあるのでしょうか?

お手軽な方法としてはアイドリング不調が起きた極寒の早朝(自宅駐車場)において、エアクリーナー吸気口近辺にヘアドライヤーで温かい空気を送ると途端にアイドリングが安定するのようならアイシングと判断できます。

キャブレターを使い捨てカイロで包んでみると、ボコ付き改善すればその場合もアイシングの可能性が高いですね~

19年1月25日 追記
すちんぐれ様から頂いた情報をもとにネットで写真を探してみたところ、サーモスイッチの実装場所をイメージすることができました。

日頃のメンテナンスでは到達できない場所?にあるのですね~
情報ありがとうございました。

2 件のコメント :

  1. めっきり寒くなりましたね(^_^;

    もう数年前ですが、冬に不調だったSRVが、キャブヒーターを交換するだけで調子よく走れるようになって驚いたことを良く覚えています(^-^)

    ちなみにサーモスイッチですが、ステムのすぐ後ろのスペースに、ウィンカーリレーと一緒に収まっていますよ(^o^)

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    1. すちんぐれ様
      YAHOOブログの頃からいろいろアドバイス頂き感謝しています。サーモスイッチの位置を教えて頂きありがとうございます。最近は通勤でSRV250に乗ることも少なくなりましたが、その分、ソロツーで距離を伸ばしてます。(笑) 『御機嫌伺』という変な名前のブログですが、今後も宜しくお願いします。

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