レギュレーターの仕組みを解説 SRV250

電気エネルギーは有限



バイクのバッテリーは電気や電子部品を動かすための電気を供給する源です。
但し、電気エネルギーを常に各部品に放出し続けていると、次第に弱ってしまいます。

蓄えれる電気エネルギーは有限です。
放電しきる前にエネルギーチャージ(≒充電)が必要なのです。

バイクや車にはエンジンの回転運動を電気エネルギーに変換する装置が搭載されてます。
その装置は一般的にジェネレーターとよばれています。

ジェネレータの種類

ジェネレータは電気を発生させる装置です。下記の2種類に分別されます。

ダイナモ

ダイナモは直流電圧(直流電流)を発生させるる部品です。 自転車のゴムタイヤ側面に押し当ててライトが光るあの機構を連想してください。

ダイナモは長年に渡って普及してきましたが、回転数によって発電量が決まる為、取り出せる電気エネルギーが不安定です。

従って、バイクや自動車ではアイドリングの回転数が低い時でもヘッドライトを光らせたり、ウィンカーを光らせる必要があるのでオルタネーター方式が採用されています。


オルタネーター

オルタネーターは交流発電機です。回転が変動しても安定して電気エネルギーを取り出します。 エンジンのクランクの回転運動と連動しオルタネーターが電気を作ります。

現在のバイクではオルタネーターが使われていることがほとんどです。
ジェネレータと呼ばれたりします。

レギュレーターの役目

交流電流のままでは使い勝手が悪いのでレギュレーターという部品(整流器)で直流電流に変換します。

<概念>

 交流発電(オルタネーター)
     ↓
 レギュレーターで整流(直流電流化)
     ↓
 バッテリー充電
 
という発電充電システムで成り立っています。

レギュレーターの仕組み

レギュレーターは壊れやすい部品の一つです。特に旧型の車両では経年とともに壊れてくる傾向があります。

その原因としては、交流電圧を直流電圧(直流電流)に変換するときにエネルギーロスが必ず発生します。100%変換できずに熱が発生する為、レギュレーター自体が発熱することが影響しています。

耐熱設計が不十分だと、または余裕度が少ないとレギュレーターは発熱時に壊れやすいです。 何らかの冷やす手立てを講じなければあっと言う間に熱限界を超えて故障してしまいます。

SRV250は下で説明してますが回路分類(B)のショートタイプのレギュレーターが使われています。

バッテリーが満充電されている状態でヘッドライトやテールランプ、ストップランプが切れたまま走ると、発電電流が消費されません。

仮にバッテリー側も満充電となると電気エネルギーを貯めることができないので、レギュレーター内部でショートさせて発電した電気エネルギーを捨ててます。
捨てると言っても熱エネルギーとして捨てるので発熱が大きくなります。

つまり、バッテリー満充電、バイクに電気を消耗する負荷が少ない、夏場の灼熱を走るの3条件が揃うと、レギュレーターは常に発熱してストレスを受けます。

熱設計許容範囲を超えれば故障となりますので、電源収支が安定した状態で走ることが大切かもしれません。

愛機SRV250の電源収支に関する記事はこちら

どうやって冷やす?

バイクは風を切って走ります。 バイクのフレームは鉄やアルミといった金属でできてます。そこでレギュレーターを風に当たり易い場所に装着し空気中に放熱したり、金属のフレームとボルトで密着固定して放熱させたりしています。

SRV250は新電元というメーカーのレギュレーターを採用してます。(最初の写真)

筐体は金属(アルミ)で構成されており、フィンと呼ばれる凹凸が付いています。

このフィンに風があたると凹凸で表面積が増えるので風が熱を奪ってくれる効率がアップします。
また2本のボルトでフレームに固定することでフレームへ熱を逃がします。

但し、エンジンに近いところに固定すると、フレームも厚くなっているので放熱効果が期待できません。

ちなみに、SRV250はタンクの裏側のフレームに取り付けれたており、走行時には風が当たる位置にあります。 エンジンと離れた位置なので放熱に有利な場所に付いていると考えます。

レギュレータの種類

 大分類(A)
  
  単相型 (小型バイク)
  3相型 (中型、大型バイク)

 回路分類(B)

  ショートタイプ(バッテリー満充電で発電回路をショート)
  オープンタイプ(バッテリー満充電で発電回路をオープン)
  位相制御型(ショートタイプで発生するノイズを低減)
  
詳細は新電元さんのHPを参照して下さい。




Q.SRV250はどのタイプが使われているのでしょか? 
   大分類と回路分類で答えてね!

A.答えは:3相ショートタイプです。
   

ストックしすぎ!

ということで、いつ壊れても対処できるように中古の部品と運良く新品が格安で出品されていたレギュレーターをストックしてから1年経ちますが、壊れる気配がありません。

ちょっと心配性のSRV250のオーナーさん。 STOCK HUNTER の御機嫌伺って もしかしてそういう意味なの?

2020年4月14日 追記

ステーターコイル

参考までに発電するコイルはジェネレーターコイルとかステーターコイルという名称が付いています。ストックしてある部品の写真を載せておきますね~

オイル交換されてなかったエンジンを分解したままストックしていたので、オイルが乳化してステーターコイルの色が変色しているように見えます。

コイルにダメージはないと信じて抵抗値を測定してみました。



コイルの抵抗値を測定すると下記の値でした。正常範囲なので使えるはずです。

おまけ

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