故障したかも温風が出ないぞ! その原因は?
『温風が出なぁ~い!』 家内と娘からの悲痛な叫び! この2日間ヘアードライヤーの温風が出ないので困っているようだ。
一度現象が起きたものの、一度は理由が分からないが復活したパナソニックのヘアードライヤー。今度こそは完全に故障したようだ。
夏なら送風モードでも寒くはないので文句もないだろうが、今は冬!朝晩はめっきり寒くなっているので温風モードが使えないのは大変な苦痛である。
昨夜は風呂上りに髪の毛を濡らしたままで寝たくないと、娘はリビングで眠いのを我慢して自然乾燥に挑んだが、強烈な睡魔に勝てずリビングで寝てしまったそうだ。
床暖房が付いていれば暖かいが、切ったまま寝てしまったので、朝方4時に寒さで起き自分の部屋のベッドにもぐりこんだらしい。
私なら風邪を引いてしまうような状況だが、今朝も元気にしているその源は『若さ』という二文字に尽きるのであろうか?(羨ましい...)
ヘアードライヤーの概要
- メーカー:Panasonic
- 型式:EH-NA23
- 仕様:ナノケアー
- 電源:AC100V 50/60Hz
- 電源方式:交流式
- 消費電力:1200W/600W
- 本体寸法:高さ22.7×幅17.9×奥行8.9cm
- 本体質量(重量):約540g
- 温風温度:110℃(ターボ・室温30℃の時)
- 風速:1.2m3/分(ターボ時)
- 生産国:タイ王国
- 発売年:2010年頃
ナノケアが当時のウリ
当時のキャッチフレーズとしてナノケアとかナノイーという単語を大々的にセールストークとして使っていた記憶がある。ナノケアーとは水分量約1.5倍の「ナノイー」で、ヘッドスパ。
ドライヤーで乾燥しがちな地肌をうるおい地肌へ。という説明だった。
更には 持ち運びに便利。コンパクトなナノケアとも書いてあった。
故障個所を予測
分解前に推定した故障要因は
1.温風モードのスイッチ部の故障
2.発熱体(電熱線)の断線
3.電熱線を制御する基盤の故障(部品又ははんだ付け部)
4.電流制御の素子デバイス熱破壊
5.加熱保護のセンサー故障(温度FUSEは142℃らしい)
誰でもできる分解と修復
通常なら少しずつ分解しつつ、写真を撮りますが、あまりに簡単な構造だったので一気に分解です。(笑)とてもシンプルな作りです。家電メーカーのコストダウンの努力が感じられます。
使用ネジ本数
柄の部分:2箇所本体下側:2箇所
吸気部:3箇所
これだけ緩めて外せば、プラモデルのように簡単に分解できてしまいます。
結論から言いますと故障した部位は、柄の中の電線でした。これを繋ぎなおせば温風がでるようになりました。
最初からこれに気が付けば、写真のような全バラシは必要なかったので反省すべきところです。
故障部位を見つけ出せ!
実は最初から先入観で基盤のはんだつけ部分か、電熱線に電流を供給するパワー素子が熱破壊しているのではと思っていたので、まずは基盤をチェックしました。
テスターで抵抗やダイオードのショート、オープン部位がないか確認しますが、概ね問題なさそうです。
次にはんだ付け部のクラックを見ましたが、特にありません。ヘアドライヤーだけに冷風、温風のヒートサイクルを疑っていたのですが、基盤のレイアウトが熱伝導を受けないような場所だったからですね。
柄に内蔵されているスイッチ部も確認します。
こちらも問題なし。
電熱線本体部分かな?と中身を覗くもとくに電気的接合部やら、電熱線の抵抗値とか問題なさげ~ それにしても、すごく芸術的?なダイオードとセラミックコンデンサーのはんだ付けですな!
車の電子電気部品(車載部品)ではありえないと思う筆者である。
まさかナノイーが関係しているのかとつらつら見るが仕組みが判らん。
それじゃあ、加熱センサーがやられているかもと疑ってみるものの、外観からでは故障の有無は判りません。写真の赤丸がセンサーです。
真因発見!
さあ、どうしようかなと眺めていると、あれ! ここにもしかして...電源線を保護する白い筒状のチューブが少し破けてます。チューブの中身を見る為に、白チューブ開けてみる為に外科手術に入ります。まずは切開します。
ちょっとちょっと患者さん、大事な血管切れてますよ! この部分は柄に入っていてコンパクトに柄を折りたたむ時に、何度も何度も屈曲される場所じゃあないですか?
黒色の線が断線しているの分かりますか?
仮接続してヘアードライヤーのスイッチをオンすると心地よい温風がでてきました。
故障箇所はこの断線だと結論付け、さっさとはんだ付けすることにします。
はんだコテを取り出して通電です。コテ部を保護している樹脂カバーを外して90度離れた部位に付けて柄にして使う年代物です。
少々、いも半田状態ですがお許しを...
はんだ付け部をテープで養生して完了です。
元通りに組み上げます。組み上げるのも実に簡単です。
パナソニックの作りやすい製品設計に感服!
修復しながら写真を連写しておきますので、挑戦する人がいましたら写真を参考にLet's try!
但し、家電製品の分解は保証対象外となりますので、何が起こっても自己責任でお願いします。
当方は一切責任を持てません。
プラモデルを作ったことがある人なら、分解と修復はできますよ。
柄がコンパクトに折りたためるタイプのヘアードライヤーは繰り返しの屈曲でハーネスが痛む現象が起きるようです。耐用年数は何年として設計されているのだろうか?
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