ガス給湯器(熱源機) エラー 643 の意味

ガス給湯器とガス熱源機

『給湯器』という言葉を聞けば電気又はガスでお湯を沸かす設備だと簡単にイメージできます。それでは『熱源機』というものはなんだかわかりますか?
簡単に説明すると、どんな機能があるかによって呼び名が変わるようです。

呼び名と機能

  • 給湯器:給湯機能、追い炊き機能
  • 熱源機:給湯機能、追い炊き機能、床暖房、浴室乾燥機(暖房)
熱源機は床暖房や浴室乾燥機に使うお湯を循環させるためのポンプが内蔵されています。

昨日、我が家のガス熱源機のリモコンからアラームと共に表示されたエラー番号は643
この643とは暖房ポンプのエラーを意味しています。(ネットで検索しました。)

このエラー643が表示された場合は暖房関係のポンプの回転数を検知異常が発生した状況なので運転スイッチを一度切って、再度ONして同じエラーが出るのか確認してみるのが良いでしょう。

それでも同じエラー643が表示されたなら暖房ポンプやコントロールユニット等の故障の可能性があります。

一般的には給湯器や熱源機の耐用年数は10年と言われているので、一つの部品だけ過剰な耐久性があっても仕方ないので、ポンプも10~15年で故障するぐらいの耐久性能を狙って設計されているのでしょか?

我が家もガス熱源機を13年間使用し続けてきましたが、ついに寿命を迎えたようです。
思い出してみるとここ数週間はガス熱源機から大きな音が出始めて、振動が壁に伝わり嫌な低周波がリビングに伝わっていました。

こんな大きな音だと御近所さんに迷惑だな~と心配しながら、ここ数週間使ってました。
そろそろやばいと構えていたのですが、ついに昨日4月1日の新元号『令和』が発表された頃に全く動かない状態となりました。 つまり寿命が尽きた訳です。

この13年間は冬の間(11、12、1、2、3月)はフル稼働して家の中をホカホカにしてくれた頼もしい床暖房。

温水を床下で循環させ続けてくれた心臓部がこのポンプだった訳です。よく働いてくれたな~ ありがとう! という感謝で一杯です。 

よく見るとモーター本体に放熱フィンが付いたBOXが合体した構造です。BOX内部には回路が入っているのでしょうか? 低速&高速回転を制御する回路のような気がします。パワーMOSFETによるDUTY制御だとすると回路が発熱するので放熱フィンが必要な気がします。

故障部品なので業者に持ち帰ってもらってもよかったのですが、私の性格を知っている家内が部品はこちらで処分すると言ってキープしてくれてました。
好奇心から後日分解する私の行動を予測していたようです。(笑)

我が家の床暖房は4箇所

リビング、ダイニング、キッチン、脱衣所と4箇所をホカホカにしてくれていた床暖房のおかげで、寒い冬でも素足で快適に過ごすことができていました。
※我が家は化石燃料(灯油)は使ってません。

ランニングコスト

24時間床暖房は入れっぱなし。そして、お風呂とシャワーを使い、浴室乾燥で洗濯物を乾かしたり、ガスコンロで毎日調理する。これだけ使っても冬場のガス代は1万5千円を超えません。

冬場は都市ガスに頼った生活スタイルです。たった一日(4月2日)でも床暖がない生活を過ごすと床暖房のありがたさを改めて感じます。 

ポンプが故障してもお湯は出るのでお風呂等は問題なく使えるので当面は困りませんが、追い炊き機能はダメになります。つまり追い炊きしたお湯をポンプが循環させるのでポンプが壊れると追い炊きして温めた湯をバスタブに戻せないからです。

一般にポンプが故障する季節はポンプがフル稼働する冬場というのは納得できますね。

修理それとも買い替え

同等の機能をもった熱源機の購入と工事費をガス工事の正直屋に見積もりしてもらうと20万円コースでした。 やはりポンプだけを交換するのが良いと考えました。

ポンプを新品に交換してもポンプが10年後にダメになる前に、燃焼機能部が寿命を迎える可能性が高いです。但し、あと4~5年は頑張ってくれるだろうと勝手に妄想し、ポンプ交換を業者に依頼しました。

仕事が早い!リンナイサービスショップ

住宅メーカー経由でリンナイサービスショップに連絡をしてもらうこと数時間で業者がやってきました。1時間ぐらいでポンプを交換してあっという間に床暖房が復活です。
本当にありがたい神対応です。

交換費用

  • ガス熱源機型式:HT-4203ARS-SW6Q (24号)
  • 交換部品代:15,200 円
  • 交換作業費:10,000 円
  • 個別出張費: 2,500 円
  • 税込み総額:29,916 円

約3万円で修理完了です。ネットで調べると2万5000円~3万円が相場らしく工賃の差と出張費の発生有無でバラツキはありそうです。

交換部品(暖房ポンプ)

  • 部品コード:270-106-000
  • 代表型式:RUFH-V1613AA(A)
  • Pana品番:PY-121DNCRA ←パナソニック製と思われる
  • 代替品: U639-047-800 ←推定
実はDIY好きな私なので自分でポンプを手に入れて交換することも想定してました。しかし部品購入方法が見つかりません。

Amazon、楽天、Yahooショップ、Ebayも探していましたが、お目当てのポンプは見つかりませんでした。


そもそも、ガスを扱う機器ですからポンプ部分とはいえ安易に素人が手を出してはいけない領域かもしれませんね。 ここは専門業者にお任せが良しとしましょう。(笑)

2019年4月7日追記

床暖房のポンプの仕組み

ポンプの内部を分解し故障原因を調べてみました。
まずは吸入と排出の水流経路側から分解をトライします。

赤いOリングは若干変形してますが、密着しており水を漏れないようにする働きは十分果たしています。そして中心部には水車のような回転子があり、これ丁寧に分解します。

故障部分を特定

内側にある回転子を取り出すと水を送り出す水車のような物の下側にフェライト磁石が付いていました。
おや? よく見ると亀裂が入ってますね!
軽い力で(手の爪を亀裂に掛けて)少しコジるとパカっとフェライト磁石が割れて取れました。 なぬ~ これかよ! 原因は...

もしかして構造に難あり?

割れた起点をよく見ると樹脂側から2つの凸部が出ています。モーター本体のコイル側が電磁石となりS極とN極を切り替えることで、このフェライト磁石に回る力を伝えているはずです。フェライトが回転する力は水車のある部分に伝える必要があるのですが、この構造だと樹脂から出た凸部と、その凸部とフェライトの結合部の一点に加わるような構造じゃありませんか?

この凸部で力を伝える方法は納得できませんね~
連続運転がずっと続いて回り続けるならまだしも、

①床暖房の温水温度があるレベルになってポンプが止まる。
②床暖房の温水が下がってポンプが動き出す。

といった①⇔②の繰り返し時にこの凸部に大きなトルク(力)が加わります。
そうすると、樹脂とフェライトの弱い方が破壊することになりますよね!

フェライトは固いですが脆いです。一点集中で何度も力が加わると、そこが起点となって割れが発生します。

こうなってくると、今回変更した新品ポンプも同じ構造のままなのか? 何らかの工夫改善がされてものなのか分解したくなってきます。(ああ~ また悪い癖が....)

それはさておき電気系統はどうなっているのでしょうか? 原因はほぼ分かりましたが基盤側も見てみます。

まずは取付用のステーを本体と分離します。 ネジ3本です。

電源部の分解

基盤とコイル本体側を分離します。 ネジ4本です。

基盤がゲルで覆われています。野外で使用される製品は2000年当時はこういった作りが多いのでしょうか?

防水、腐食防止や発熱時に金属筐体に熱を逃がすにはゲルで基盤を覆うのは定番といえば定番? 基盤もよく見ると電流が流れるパターンは若干変色が見られます。結構発熱するのでしょうね
分解してもどこのメーカーか確証が得られません。
パナソニックという確証が欲しかったのですが... 
無理やりにコイルが実装されている部位も分解してみました。

構造的に説明すると、樹脂ケースにコイルASSYを組み付けて外側の金属ケースに嵌めて(絞めて)いるようです。

全周に渡って絞めているので樹脂ケースごと取り外すことができませんでした。
フェライト磁石と擦れた後が内部の筒表面に観られます。フェライト磁石が割れなければクリアランスがあるし、そもそもクリアランスに水が入って潤滑の役目もするので、こんなに擦れた後は付かないはずです。

擦れながら回るので、ますますフェライト磁石側に力が加わって割れが加速していったのではないでしょうか?(個人的な推定です。別の破壊メカニズムがあるかもしれません)

擦れながら中身(水車とフェライト)が回るので大きな音がしたり回る時も大きな力が必要でそれなりに大電流もパターン流れたりして、基盤側も少し変色したのかもしれません。
こういったポンプについて知らないことが多かったけど、今はインターネットが何でも教えてくれる良い時代です。 知りたいと思う気持ちがあればまだまだ学べることは多いです。

この方式のポンプの正式名称はマグネットドライブ式遠心ポンプとのこと。
そして水車とは呼ばずにインペラという名称があるらしい...
※好奇心はいつまも失いたくないと思う今日この頃である。(ボソ)

床暖房関係のエラーコード一覧

その他の故障については、故障診断フローチャートに基づくエラーコードと具体的な故障の対比は下記を参照してください。

おまけ

家電製品の修理に興味ある方は下記もどうぞ!

2 件のコメント :

  1. 2022/2/21記載:30年前のDT200を今も所有するオヤジです(5年間始動してませんが・・・)
    今般、2014設置のノーリツ石油給湯暖房機(3台目)の循環ポンプ交換しました。ポンプの詳細をググっていたら御誌ブログを拝見。後学のためにも大変分かりやすく参考となりましましたので一言御礼申し述べたくコメントさせて頂きました。厳冬期4日間石油ストーブでしのいだ札幌市在住<ムーチャム>
    と申します。

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    1. コメントありがとうございます。 壊れた給湯器のポンプを分解する変態(ライダー)は数少ない存在だと認識してます。 このような記事でも役にたったと思うと嬉しい限りです。 真冬に給湯暖房機が故障するのは辛いですよね~

      話は変わりますが、DT200は良いマシンです。復活を期待してます!

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