PSG(睡眠ポリソムノグラフィー)の結果

睡眠段階N3レベルへ未達せず

ブログ主のPSG検査結果(睡眠ポリソムグラフィー結果)を聞くために7/3の午前中に会社を休んで大学病院に行ってきました。結果は思っていたよりも、重症?という感じでした。

一般的に加齢によって良質な睡眠が減ってきます。老化によって体が深い睡眠状態に入ることができないようになり、よく寝れない、寝ても疲れが取れない、ケガや傷が治りにくい。など明らかに若者とは違う体質になっているのはご存じの通りです。

加齢に伴い、最も深い段階である徐波睡眠(N3)は年齢とともに大きく減少します。若い頃に比べ、入眠後に出現するN3の割合が減って浅い睡眠(N1・N2)や中途覚醒が増えるため、「眠りが浅い」「疲れが取れにくい」と感じやすくなります。

この睡眠段階N3の減少や高齢者の睡眠変化について、以下のポイントが挙げられます。N3減少の仕組み: 脳波の徐波活動(深い睡眠時に出る波)が弱まることで、深い眠りまで到達しにくくなります。

体内時計の変化: 加齢に伴い「メラトニン」の分泌量が減るなど生体リズムが前倒しになり、早寝早起きになって夜間に目が覚めやすくなります。日中の眠気への影響: N3が減少し睡眠が分断されるため、夜間の睡眠が不十分になり、日中に強い眠気を催しやすくなります

そして、ブログ主は寝ている最中に足が勝手にピクピク動くPLMDという症状が疑われ、その確定診断をすべく検査入院したのが6/18のことでした。

事前の入院検査の様子はこちらです。

検査結果と一般基準の比較

検査項目
結果
[/時間]
一般基準値
(健康な成人)
[未満 / 時間]
ブログ主
状態の評価

①PLM指数


(周期性肢位

 運動指数)

79.6 回5回著しい高値
(重症)

②覚醒指数


(アロウザル

インデックス)

48.7 回10〜15回
著しい高値
(睡眠の分断)
③無呼吸指数
(AHI / TST)
15.6 回5回未満 正常
6~15  軽度
15~30 中度
30以上 重症
軽度〜中等度の
睡眠時無呼吸さ
そして驚くべきことに、良質な睡眠状態である徐波睡眠(N3)は検査入院で眠っていた一晩では一度も検出されず、頻繁に覚醒が起きているという酷い結果だったのです。www
これでは、8時間眠っても日中に睡魔が襲ってくることがあっても不思議ではありませんね。

若いと時には、いびきをする体質ではなかったのですが、最近ではいびきもかいているようです。検査結果ではいびきとする際に軌道が狭まったり(一瞬息をするのを停止したり)と
無呼吸症候群の状態にもなっていることが分かりました。

①PLM(周期性肢位運動)指数:79.6回/時間
これは睡眠中に主に足の筋肉がピクピクと動く回数です。一般の方は1時間に5回未満ですが、あなたの場合は1分間に1回以上の頻度で足が動いている計算になります。PLMD(周期性肢位運動障害)として非常に明確な高値であり、重症の部類に入ります。

②覚醒指数:48.7回/時間
脳が睡眠から途中で目覚めてしまう(中途覚醒や微小覚醒)回数です。1時間に約49回ということは、ほぼ1分強に1回のペースで脳が覚醒しています。これでは深い睡眠(ステージ3やレム睡眠)が十分に取れず、朝起きた時の疲労感や日中の強い眠気につながってしまいます。この覚醒の主な原因が、上記のPLM(足の動き)と、後述の無呼吸です。

②無呼吸指数(TST):15.6回/時間
睡眠1時間あたり、10秒以上の呼吸停止または低呼吸が何回あったかを示します。一般的には15回以上30回未満が「中等度」の睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されます。あなたの場合、PLMDだけでなく、この呼吸の乱れも睡眠を浅くしている(覚醒指数を押し上げている)一因となっています。

ということで、来るべき腓骨筋腱脱臼の亜脱臼を完璧に治すための外科手術をする前に、PLMD(夜間足ピク病)を防止する薬をもらうために受けたPSG検査によって、ブログ主の睡眠における異常を知ることになった。

年代別のN3(深い睡眠)の発生傾向

年代 一晩のN3発生回数の目安特徴・睡眠の変化
若者
(20代〜30代)
3 〜 4回入眠直後の1〜2周期目で最も深く長いN3が出現し、
朝方にかけて計3〜4回ほど出現します。
50代1 〜 2回睡眠のメカニズム(睡眠力)が大きく衰え始める時期です。
出現しても入眠直後の最初の1回だけ、あるいは2回目が
ごく短時間出る程度に減少します。
60代
以降
0 〜 1回60歳以降N3が急激に減少し、N1〜N2の浅い睡眠が中心
脳波の振幅が小さくなるため、データ上は
「N3の発生回数が0回(ほぼ消失)」
判定される夜が増えます

回数が減る理由と影響

人間は通常、約90〜120分の睡眠周期(サイクル)を4〜5回繰り返して朝を迎えます。若い頃はその大半のサイクルでN3まで到達できますが、50代・60代になると「最初の1〜2サイクル目しかN3まで深く沈み込めない」ようになります。
これにより、夜間の後半(夜中から明け方)は常に浅い睡眠(N1・N2)ばかりになり、少しの物音や尿意で目が覚めてしまう「中途覚醒」が増える原因となります。
一晩に1回あるかないかまで減ってしまうN3ですが、日中の運動や入浴のタイミングを工夫することで、最初の1回をより深く良質なものに改善できます。

処方薬「レグナイト錠300mg」について

ブログ主は先ほどの指標による判定と、更に睡眠効率62.3%、途中覚醒32.4%ということから、PLMD(足ピク)を止めることで、睡眠の質も大幅に向上できると期待であろうということから、お薬「レグナイト」を処方されました。
レグナイト(一般名:ガバペンチン エナカルビル)は、PLMDやむずむず脚症候群(RLS)に対して第一選択として広く使われる非常に的確な治療薬です。

処方内容: 1回2錠(計600mg) 夕食後

お薬の役割: 神経の過剰な興奮を抑え、睡眠中の異常な足の動き(PLM)を減らす効果があります。これにより、足の動きに伴う「脳の覚醒(48.7回/時間)」を大幅に減らし、睡眠の質を深く、安定したものに変えていくことが期待できます。

服用のポイント:
「夕食後」の服用が指定されているのは、就寝時にちょうど薬の効果が最適に発揮されるよう設計されているためです。また、飲み始めの数日間は、日中の眠気やふらつき、めまいを感じることがあります。体が薬に慣れてくると落ち着くことが多いですが、車の運転などを行う際は十分に注意してください。

今回の結果から、PLMDによる足の運動と軽度〜中等度の無呼吸が重なり、睡眠が非常に細切れ(分断)になっていたことが客観的に証明されました。レグナイトの服用によって足の動きが落ち着けば、覚醒回数が減り、睡眠の質は大きく改善する可能性が高いです。

朝の目覚め時に眠気が残る、めまいがする、吐き気がする等の症状は飲み始め一週間ほど出るそうです。一週間経っても症状が出る場合は2錠⇒1錠にしても良いと言われました。

暫くはこの錠剤の力を借りて、様子をみます。但し、効果の確認はPLMDの足ピクは自分が寝ている時に勝手に起きているので、効果があるかは自分ではわかりません。従って、いつもと同じ睡眠時間で朝起きた時にぐっすり眠れた感があるか、とか日中眠くなることが一度もない。とか そういった効果確認になりそうです。

項目と数値の解説

1. 【最重要】睡眠効率(%TRT)[62.3] の意味するもの

中段にある「睡眠効率:62.3%」 これは、ベッドに入っていた時間(TRT:530.0分=約8時間50分)のうち、実際に眠れていた時間(TST:330.0分=約5.5時間)がどれだけあったかを示す割合である。

  • 一般の基準: 健康な成人であれば、睡眠効率は通常85%〜90%以上である。

  • この症例の評価: 62.3%というのは著しい低下を意味する。ベッドに約9時間もいたのに、実際には3時間半近くも「ただ横になって目が覚めていた(または激しく分断されていた)」ことになる。これが、朝起きた時の強い疲労感の直接的な原因。

2. 「睡眠ステージ」の歪んだ内訳

その下にある各睡眠ステージ(%TST)の割合を分析

  • N1 [47.6] / N2 [38.9] : 浅い睡眠であるN1とN2だけで、全睡眠時間の86.5%を占めている。通常、N1は全体の10%程度であるべきだが、この症例では半分近くが「ウトウトしているだけの最も浅い状態(N1)」で終始している。

  • N3 [0.0] : 最も深い睡眠、脳組織を修復し疲労を回復させる「ノンレム睡眠のステージ3(深睡眠)」がまさかの0.0%、つまり一晩中1秒も出現していない。

PLM[PLMD](79.6回/h)と覚醒(48.7回/h)の連打によって、脳が深いステージ(N3)へ降りていこうとするたびに叩き起こされていた証拠が、この「N3:0.0%」という残酷な数字に完璧に現れている。

3. 無呼吸の「中身」:閉塞型か?中枢型か?

上段の無呼吸の内訳に注目

  • 閉塞型(回数/h): [0.4] (喉が物理的に塞がるタイプ)

  • 中枢型(回数/h): [0.0] (脳からの呼吸指令が止まるタイプ)

  • 低呼吸指数(回数/h): [15.3] (完全に止まりはしないが、換気量が激減するタイプ)

これらを足した「無呼吸・低呼吸指数(AHI)」が 15.6 となっている。 手書きで「無呼吸 5〜15〜30 軽 中」と医師がメモしている通り、15以上は中等度のカテゴリーに入る。この患者の場合、完全に呼吸がストップする「無呼吸」よりも、「呼吸が非常に浅くなって窒息しかける(低呼吸:15.3回/h)」が病態の主体であることが分かる。

4. 命に関わる「SpO2最低値 (%) [89]」

さらに注目すべきは、酸素飽和度の低下だ。 「SpO2最低値:89%」とある。正常値は96〜99%であり、90%を下回る状態(89%)は、医療現場では「呼吸不全」といって酸素吸入を検討し始めるレベルの低酸素状態である。

但し、これは一瞬しか発生していない。

PSGの波形の解説

1. 【最下段】PLM(周期性肢位運動)のバースト

一番下の赤く激しい縦線(PLM)の山を見てください。

22:30頃から深夜01:00前にかけて、そして02:00過ぎから03:30頃にかけて、凄まじい密度の赤いスパイク(棘)が林立していますね。これが「睡眠中の足のピクピク」です。

計算上、1時間に79.6回。つまり、この赤い山がある時間帯は、1分間に1回以上のペースで足が異常運動を起こしていることになります。

2. 【下から4段目】Arousal(微小覚醒)の連動

では、そのPLMの山と、上にある「Arousal分類(脳の覚醒)」の赤い縦線の束を見比べてみなさい。

見事に位置が一致しているでしょう。足がピクッと動くたびに、脳に「起きろ!」という異常な信号が送られ、グラフが真っ赤に染まるほどの微小覚醒(1時間に48.7回)を引き起こしています。これでは脳が休まる暇がありません。

  • A:Asociated(その他の随伴症状、または原因不明) はっきりとした呼吸の乱れや足の動きと100%連動していないが、突発的に脳波が跳ね上がった覚醒。

  • R:Respiratory-related(呼吸関連覚醒) 喉が狭くなったり、呼吸が浅くなったり(低呼吸)したことで、脳が「息が苦しい!」と危険を察知して目覚めたもの。

  • P:PLM-related(周期性肢位運動関連覚醒) 今回のあなたの主犯格である。足がピクッと動いたその物理的な刺激・神経の興奮によって、脳がダイレクトに叩き起こされたもの

  • D:SpO2 Drop-related(血中酸素低下関連覚醒) 無呼吸などの結果、血液中の酸素が急激に薄くなり、脳が「酸欠で命が危ない!」とパニックを起こして目覚めたもの。あなたのデータにある「最低SpO2 89%」へのドロップなどがこれに直結する。

  • C:Central(中枢性イベント関連覚醒) 脳の呼吸指令そのものが一瞬サボった(中枢性無呼吸)ことによって起きた覚醒。あなたのデータでは中枢性は0.0回なので、ここはほぼ動いていない。

  • S:Spontaneous(自発的覚醒) 外部の刺激や体内の異常とは関係なく、脳が自然に睡眠のステージを移行する際などに発生する単発の覚醒。

3. 【中段】「睡眠段階」の異常(分断された睡眠)

次に「睡眠段階」の赤線(ヒプノグラム)に注目です。

健康な人であれば、入眠後に階段を下りるようにスムーズに深い睡眠(N3)へ入り、90分周期できれいな波を描きます。

しかし、ブログ主の波は残念な結果でした。

深い睡眠(N3)がほぼ皆無: グラフの一番下(N3)まで線がほとんど届いていません。

浅い睡眠(N1・N2)の乱高下: 浅いステージ(N1)と覚醒(Wake)の間を、ノコギリの刃のように激しく行き来しています。

後半の「Wake(覚醒)」の連続: 朝方(04:30以降)になると、完全に脳のスイッチがONのまま戻らなくなり、ずっと「Wake」の領域に張り付いています。

なぜ朝方にここまで悪化するのか? 答えはさらに上の段にあります。

4. 【上段】「SpO2(血中酸素飽和度)」の低下と無呼吸

一番上の段の「SpO2」の青い線を見なさい。朝方に近づくにつれて、下向きのトゲトゲ(酸素のドロップ)が増え、そのすぐ下の「SpO2イベント(青い棒)」が多発しています。

これは「睡眠時無呼吸(1時間に15.6回)」による酸素不足です。

後半に向けて体内の酸素が薄くなることで、脳は命の危険を感じてさらにアラームを鳴らします。元々あった「足のピクピク」に、この「酸素不足」というダブルパンチが加わった結果、朝方は完全に睡眠が崩壊(Wakeに張り付き)してしまっているのです。

最も重要な事実は、「ブログ主は寝ているつもりでも、脳は一晩中、激しい足ピクと無呼吸症状態の散発で、1時間に約49回も脳を起こされれば、若い頃ならまだしも、50代後半になれば日中に強い疲労感や眠気が出るのは医学的に説明できます。

処方された「レグナイト」という薬で最下段の「赤い山(PLM)」を綺麗に消し去ってあげることができれば、連動している「脳の覚醒」は劇的に減り、ヒプノグラムはもっと深く、綺麗な波を描くようになるでしょう。

日中の眠気の副作用に注意しながら、まずはこの「足ピクの暴走」を薬でしっかり鎮めること。それが、ブログ主の脳と身体を救う第一歩となるでしょう。

費用の紹介

この検査は保険適用で約4万4000円でした。入院してセンサー付けて、一晩中検査員がモニター見て頂ける検査なので、お安い気がしました。睡眠の質が悪くて困っている。凄いいびきで呼吸が止まるといった症状がある人は一度試してみては如何でしょうか?

おまけ(レグナイトの作用メカニズム)

ステップ1:神経の「興奮の蛇口」を締め直す(主作用)

人間の神経細胞の表面には、カルシウムイオンが出入りする「門(電位依存性カルシウムチャネル)」が存在する。この門が開いてカルシウムが細胞内に入り込むと、神経は興奮し、筋肉を動かす命令(神経伝達物質)がドバドバと放出される仕組みになっている。

PLMDの発症メカニズムは、この「カルシウムの門が夜間に壊れて開きっぱなしになり、足の運動神経が異常興奮を起こしている状態」である。

レグナイトの主成分(ガバペンチン)は、この門の特定の場所($\alpha_2\delta$サブユニットという受容体)にぴったりと結合する。これにより、開きっぱなしになっていた門がパタンと閉じ、足に向かって放たれようとしていた異常な興奮シグナル( glutamate などの興奮性伝達物質)の放出を、根元(上流)から強力に抑制する。これが、足のピクピクがピタッと止まる最大の理由だ。

ステップ2:「持続型(プロドラッグ)」の力で、一晩中薬効を均一に保つ

実は、この成分の昔の薬(ガバペンチンそのもの)は、小腸からの吸収効率が悪く、体からすぐに抜けてしまうため、「夜間のPLMDを朝までずっと抑え続ける」ことが難しいという弱点があった。

そこで開発されたのが、このレグナイト(エナカルビル型)という進化した設計(プロドラッグ)である。

  • 効率的な吸収: 服用後、小腸にある特別な大型輸送トラック(トランスポーター)に乗り込んで、体内に非常に効率よく、大量に吸収される。

  • 朝まで続く盾: 吸収された後、体内の酵素によってゆっくりと活性型(ガバペンチン)へと変換され、血液中の薬の濃度が一晩中、なだらかに一定にキープされる。

ステップ3:脳の「過剰な警戒アラート」を解除し、N3(深睡眠)を増強する

この薬の素晴らしい副次効果は、足の動きを止めるだけでなく、脳の「過剰な覚醒システム」そのものを鎮静化させる性質を持っている点だ。

足のピクピクが止まることで、脳への物理的なハッキング(微小覚醒:Arousal 48.7回)が消失する。

それと同時に、脳内全体の神経の過緊張がほぐれるため、脳波が「浅い睡眠(N1・N2)」にとどまる理由がなくなり、自然な重力に引かれるように、これまで0.0%だった最下層の「N3(深睡眠)」の領域へと、脳波が深く沈み込めるようになる

暫く薬を飲んでみた後に睡眠の質の向上結果(感想)を追記してこのブログで紹介予定です。

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